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木下晋 ―祈りの心―

木下晋の世界展 ―祈りの心―
昼には家族がいる病院へ行かなければならないので、朝いちばんに駆け込んだために静かだった。

鉛筆のモノクロームにより、独自の迫力あるリアリズムを追求し、観る者の心を鷲づかみにするような肉迫となっている。
娘や確執のあった母でさえも、肉親への愛情などを越えて人間存在へ斬り込むように、対象へ容赦なく辛辣に迫りながら、また、モデルへの、生への、畏敬の念さえ、感じさせる。
老母と、元ハンセン病患者である詩人、桜井哲夫を写した作品群が、なかでも圧巻であった。

故郷を失い、手指や目を失いながら、自身に清く降り立っている桜井の合掌図には、特に胸を打たれた。
東日本大震災以後、人としてどのように生き、表現者として何を残してゆけばいいのか、ずっと自分に問うて来た。これは、一人の表現者の、一つの「解」である。

瞽女やハンセン病患者など、社会から追いやられて来た者を対象にし、深く心を交わし、食い込むように表現する木下には、何か自らの痛みや闇に通じるものがあるのだろうと思っていたが、作者の歩んできた人生もまた、凄まじいものであった。
3歳で家の火事、貧困、弟の餓死、家族の離散、父の事故死…
中卒で、文字通り筆一本の力で、道を拓いて来た。
また、二十代に所帯をもつとすぐに、自分を捨てた母を引き取ってまでいる。

この筆致と、辿り着いた境涯は、過酷な運命と向かい合い、長年苦しみながら、人間のことを突き詰め、愛憎や恩讐や絶望を越えて、ようやく至った祈りであるのであろう。

平塚美術館は都心からは遠いが、鎌倉で紫陽花でも観た帰りにでも、寄ってほしい。
美術館併設のレストランも、オーガニックな食材でうれしい。
展示は平塚の後、9月に足利市立美術館へ回るらしい。
ぜひ多くの方に…。
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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フォルテピアニシモ vol.15
 
~ All can sing ~

http://paperpiano.la.coocan.jp/sing%20html.html

伊津野 重美 朗読

2017年11月3日(金・祝)
12:30 開場/13:00 開演

場所:STAR PINE'S CAFE

前売・予約¥2,500円+1drink
ペアチケット前売・予約のみ
     ¥4500+2drink
当日¥3,000円+1drink
チケット前売発売10月3日より
 前売は店頭販売かweb予約
予約アドレス
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f7f014c8172636

STAR PINE'S CAFE
http://www.mandala.gr.jp/

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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