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『アライバル』

虫の音と共に、日が短くなっていることに気付き、少しさびしい。
昼には30度を越えて残暑は厳しいものの朝晩は少し涼しい日も出てきた。
夕焼も月もきれいで、過ごしやすい日は朝に夜に夕方に少し外に出て、夕焼の空や星や月や山の稜線を眺める。
月の輝きに、もうすぐ十五夜だと教えられる。本格的な秋が始まる。

空も山も海も変わらずにそこにあるものを、震災以来、いや、ここ数年は風景を眺める心のゆとりがなかった。個人的な動乱の時期が、ようやく落ち着きを取り戻し始めたものの、そのダメージがまだ深く残っている。
生きてゆくことは苦しみの連続だが、それでも、そのなかで喜び、感謝し、与えられたものをありがたく日々を送りたい。もっと苦しい人達の無事を祈って…
そして、今日は、あの9.11より十年である。



110811_151229.jpg


ショーン・タンの『アライバル』は、映画は見逃したが、本が素晴らしかった。 
古い上質のサイレント映画を観ているような感覚になり、クラシカルではあるが、本としては新しい。
絵本を越えたグラフィック・ノヴェルになっている。
そして、栞はリボン…

言葉がない分、読む者によって、それぞれ世界が広がる。
おそらくは、戦争や紛争などの大きな脅威と暴力などから、失い、別れ、旅立ち、新天地を求めていった移民たちの物語…


ここ数年、私や被災者だけでなく、動乱の時期で岐路になるだろう。
敏感な者は既に感じているようだが、多くは相変わらず利欲に目が曇って眼前しか見えていない。むしろ我執に拍車がかかって、もう物事や状況が分からないようだ。
目を覚まさなければ、今後ますますさまざまなことが露呈してゆき、私達の道は分かれてゆく…

己が可愛さ、目先の欲にかられて、奪い、騙し、傷つけた者は、この世界で如何に富み、成功しようとも、自分の魂を確実に損なっている。
逆に、どれだけ奪われ、傷つけられたとしても、同じ場に堕ちないように気をつけなければならない。奪う者よりも奪われる者、傷つける者よりも傷つけられる者のほうが、ある意味幸せなのだ。

傷つけられて、自分も同じような邪を人にしようとするならば、『フランダースの犬』のネロのことを思い出せばいい。
どんなに苦しくても、そのせいで人や自分自身を損なってはならない。
今、私達は試されている。

けれども、苦しみや圧力のなかにいる人は、できるならば自分をそのなかにどうか閉じ込めないでほしい。できるだけ自分を守り、逃れて生き延び、生き生きとできる場所に自分を解放してほしい。
今いる場所だけが、世界の全てではない。
新しい生活を始めるのには、失い、別れるという痛みも伴うものだ。
けれども、恐れずに勇気をもって、新しい人生に踏み出そう。
きっと新しい別の「未来」が待っている。
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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