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「バビロンの陽光」

イラク人の監督によって初めて描かれた現代のイラク。

フセイン政権が崩壊してから3週間後…

荒涼とした大地を歩き続ける男の子とその祖母。
誘拐され兵に取られた、顔も知らない父をやっと捜しに出たのだ。
ある時は刑務所に、ある時はモスクのなかで顔の崩れた死にかけの病人に、そして、集団墓地のなかを探し回る。

集団墓地とは名ばかりで、放り込んで土をかけただけなのであろう。掘り返すと土くれのなかに、ごろごろと骨が転がっている。
しかし、そのなかから、所持品などで愛する者を捜し当てた家族は、まだ幸せで、身元の判別できない遺体も多く、そうでない父を、夫を、息子、愛する者と自分の一部まで奪われた家族の痛苦の旅は続く…

荒れ果てた大地に、戦闘で破壊され、まだ銃弾の飛ぶ街中の瓦礫のなかに、そして、遺骸の埋められている土山の上に立つ女達の姿に…その度に息がつまる。

たった一人の不在と喪失がこんなにも苦しいものを、過去40年間で150万人以上が行方不明となり、300の集団墓地から何十万もの身元不明遺体が発見されている爪痕の凄まじさ…

愛する者から引き剥がされて兵とされ、自分の手で無辜の命を奪うことを強要され、そして、自らの人生も命も奪われた者達の無念さ…

これは、災害ではなく、人の意志でなされた悲劇なのだ。

映画の公式サイトのトップページから、モハメド・アルダラジー監督の日本へのメッセージをぜひ聴いてほしい。
このような過酷のなかで大きな困難を乗り越えて来た人の、今の日本への言葉が胸に響く。
震災からほぼ一ヶ月の、多くの外国人が日本に来るのを取り止めた時期に、この映画のプロモーションのために来日したようだ。みなに日本に行くのを危険だと止められたが、最もその安全を願うはずの母が、行くように勧めてくれたとの言葉に、人種や国境を越える、共通の人間の愛の強さを感じた。
それにしても、人間はなんて愚かで、かたや、その愛情は深く純粋なのだろう…

バビロンの陽光
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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