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願い

今日は、七夕ですね。

3月11日以来、多くの人の価値観や願いの性質が変わったように感じています。

私は十代の頃、うまく食べたり眠ったり動いたりできませんでした。
学校も行くことができないどころか、みんなが勉強やスポーツや恋愛などで青春を謳歌している時に、同じ時間のその一日、一時間、一分が大きな苦しみでした。
散歩を許されても、病棟から出てエレベーターを待っている時間を立っていることができなく、薬を飲むためのカップが持ち上げられないくらい弱ったこともありました。その日一日を耐えているだけで、明日が文字通り見えませんでした。

自分なりに元気になっても、外に出て、ちゃんと帰って来ることができるのか不安でした。出かける時に、自然と、帰って来ることができない時のために、片付けている自分に気がつくこともありました。

そのようななかで長く生きていると、いま人と会うこと、いま為すことが、とても貴重なのです。
そして、本質的なことしか重要でなくなります。

苦しいことも悲しいことも嫌なこともあります。それでも、私は、晴れても雨でも幸せを感じます。今日曇り空の下で洗濯物を干しても幸せで、ある意味バカかもしれません。
ですが、美味しいと食べることができ、眠れ、自分の足で歩け、きれいな風景を見ることができ、とても幸せです。 

自由で、痛くも寒くも、ひもじくもなければ、ほんとうは幸せなのですが、ほとんどの人は、もったいないことに与えられている幸せに気がついていません。
ろくに高校にも行っていない自分が、温情で卒業させてもらい、病を経て、大学に入ることができた時、最初の頃は、毎日のように大学のチャペルを見て、泣いていました。
けれども、周りの人達は、ほんとうは幸せなことでも文句ばかり…。雨が降っただけで、一日愚痴って人の時間まで台無しにする者や、思い通りにならないと癇癪を起こし、試験が近付いてきただけで暗くなり、「もう死にたい」と口にするのです。最もそれがひどかった人は、卒業して高校の先生になりました。
多くは恵まれ過ぎ、甘やかされ過ぎている。

同じ学校で同じ病棟にいた男の子は、病の苦しさで飛び降りてなくなりました。まだ16か17歳でした。処方された薬をちゃんと飲んでいて、薬害でさらに一生の病と障害を背負うことになった女の子もいました。それは人にうつる病気なので、おそらく結婚も子供もできないでしょう。
生き残っても、十代でそれぐらい重い病を背負い、レールからドロップアウトしてしまうと大概が、普通の人の日常や社会には回帰できないのです。それでも、人生は続きます。
私自身も絶望感や苦しみから、さっと魔が差すこともありました。生き残ったのは、私が人一倍心身が実はタフだったからで、紙一重だったと思います。
相変わらず人並みには動けないぽんこつな身体ですが、よくここまで生きてくることができたと、生きていることがありがたく、しみじみとその喜びを噛みしめています。
 
本当に苦しんでいる人に、死なないでと無責任に言うことは、私にはできません。
ですが、どうか死なないでほしい、と何度でも言いたいのです。

苦しいことがあっても、その一時的なショックが治まれば、なんとか生きてゆけるものです。
悲しくても苦しくても、生きてさえいれば、時は流れて、陽は射し、風が吹き、人と笑い合う日も、必ずやってきます。
私自身が、そうだったからです。

どうか生きてください。

これが、私の願いです。


 ☆ フォルテピアニシモ vol.7 ~ wish ~ ☆

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プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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フォルテピアニシモ vol.14
 
~ Keep the holy fire
       burning ~

伊津野 重美 朗読

2016年11月3日(木・祝)
12:30 開場/13:00 開演

場所:STAR PINE'S CAFE

前売・予約¥2,500円+1drink
ペアチケット前売・予約のみ
     ¥4500+2drink
当日¥3,000円+1drink
チケット前売発売10月3日より
 前売は店頭販売かweb予約
予約アドレス
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f7f014c8172636

STAR PINE'S CAFE
http://www.mandala.gr.jp/

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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