ことらさんの日記より「雨の匂い 虹の匂い vol.2」

7月10日(土)快晴。
夕闇が迫る荻窪で。
赤ワインを注いだのどの奥が少し火照って、私はもう、開き始めてる。


キキさんと小夜さんの声が、飛び込んできた。
小夜さんの声は凜としている。張りつめた果実のみずみずしさ。
キキさんの声は愛らしい、手で受けたらそれは小さな鳥になるんでしょう。


黒いドレスの重美さんが、後方から現れて小夜さんとセッション。
ゆらりと立ち上る声。
あ この声は、 と思ったときには、私の扉はやすやすと開かれて。

内側に、ぽかりと夜空が見えた。

私の夜空、 ずっと開けずにいた扉、 忘れてなかったよ、
井戸の水も、よどんでいるでしょう、だけど、
あなたの清冽な水がその澱を流し出してくれる…ありがとう。
折り重なった澱みが流されたあとから、私の泉が喜びながら水を溢れさせた。


有子さんの声、可憐で強くて、ヒメジオンの花を思わせる。
浦さんの声、完成している声、夏なのに雪の原をさくさくふみしめるような。

浦さんとキキさんの「白と赤の双子の話」すばらしかった、
だけれども、私の中では浦さんが姉、キキさんが妹であったように思われて。
「姉さん」という呼びかけから、浦さんが妹であったと思うのだけれど。
私が感じた違和はそれだけで、それはあくまで私の勝手で。


後半の部。

場のざわめきが収束し、重美さんの声が
波になって 炎になって 見えました。


最後の五重奏、空にたちのぼる祈り。
涙が、直接胸の中を落ちていく。


最後まで聴いて思ったことは、

詩の力と 声の力と 場の力

その三つが重なり合って、うつくしいものがたりになるのだということ。


私はいま、ここにいる、と実感しながら帰りました。

あまりに大きなちからをいただいたので
ホテルに戻っても一向に寝付かれなくて。

声と詩を浴びて、受けただけの私のからだが
輪郭をなくしてしまってこまりました。

ああでも、うれしい困惑。


私にとって、このライブは、そういうもので、あったのです。


http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1535590662&owner_id=3452674

(* ことらさんは、羽根弥生さんというお名前で短歌も作られています。)
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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