雨と虹

眩暈は終息傾向に向かいつつも、未だ頑固に残っている。
いよいよ「雨の匂い 虹の匂い vol.2」も、あと2週間ほどになり、ご出演者のテキストや構成案と共に、どんどん舞い込み、準備も佳境に入る。『生命の回廊 2』の原稿と合わさって、机の上が山積み状態で、うれしい悲鳴を上げている。

前回の「雨の匂い 虹の匂い」は、おそらく初めてともいえる試みだったと思うが、それぞれに朗読時間をお渡しするという一般的な朗読会ではなく、自作だけでなく、お互いがお互いのテキストを読み、また誰かと一緒にユニットを組んでいただき、また、歌人が詩を、詩人が短歌を読んでいただくなどしたために、演目が有機的に関わり合い血が通い合い、全体が一つの詩のようになった。
またご出演者のお力により、いらしてくださった方々にもご出演者にも満足度の高いものであった。
自分が作っていても、人のものに行っても、それがよい時には、大きな熱の波のようなものがある。この会は、最も大きな力を感じたものであった。

前回は簡素ではあったが、演劇もできる舞台で照明もあり暗転もできたが、今回は名曲喫茶とあって、会場も小さく、出演者も少ないので、前回よりも規模の小さいものを考えていたが、みなさんの出されてくるテキストや構成に、私が驚いている。
前回とメンバーが少し入れ替わり、初めての人は詩人の浦歌無子さんだけで、あとは、みなさん2回目になる。4年の間に、それぞれが成長していることが分かり、しみじみする。
かたや、私は、成長できているだろうか…

前回は、力を合わせ心を合わせてて、詩や短歌やジャンルを越えてゆくことを目指していたが、今回は、それに加えてさらに、信じることができる場所を創りたい。
何か苦しいことがあった時、人に裏切られ傷つけられて、もう何も信じられないと思っているような時にも、思い出せば、力にすることができるような確かな場所を、メンバーにも、お客様にも、そして、私自身にも、心のよりどころにできるような、小さくてもあたたかな灯のような時間を…
しかし、私は、いつもかたちに残らないものばかりを創ろうとしているなぁ。

降っている雨が、どんなに冷たかろうが、止まない雨はなく、また、雨が降らなければ、美しい虹もかからない。



「かたちあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ。それが僕のルールです。壁に突き当たったときにはいつもそのルールに従ってきたし、長い目で見ればそれがよい結果を生んだと思う。その時きつかったとしてもね」
(「偶然の旅人」 『めくらやなぎと眠る女』より 村上春樹  新潮社)

プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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