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山田消児さん『短歌が人を騙すとき』において『紙ピアノ』

山田消児さんの評論集『短歌が人を騙すとき』(彩流社)の<第三章 歌人論の中の「私」>のなかの<歌が文学を捨てるとき>において、歌集『紙ピアノ』について言及いただきました。
ご理解が、私にはたいへんうれしいものでありました。
ほんとうにありがとうございました。



 私は、自らの心身の傷を直視することによって生まれたと思われるもう一冊の歌集を読んだ。伊津野重美『紙ピアノ』(風媒社、二〇〇五年)である。

  目醒めたる深夜わたしは横たわる私の首をこくりとしめる
  忘られし骨の檻(ケージ)に棲む鳥は羯諦羯諦(ぎゃあていぎゃあてい)吾の声で哭く

     ・・・・・(中略)・・・・・

 このような歌集であっても、歌を通して作者の境涯をできるだけ詳しく読み取ろうとする読者は少なからずいるはずである。『紙ピアノ』の場合、作歌に駆り立てられる心情の切実さが全編からひしひしと伝わってくるだけに、関心が作者その人に向かうのは自然の成り行きでもあるともいえる。
 だが、それにも関わらず、この歌集は、境涯にこだわった読み方を必要としない歌集なのだと私には思える。作品の成立に作者の体験が深く関わっていたとしても、結果としてできあがった歌の多くが、成立状況とは別に、それ自体で独立したひとつの詩的世界を作り上げているからである。読者は、ただ目の前にある歌の言葉から出発して、それぞれが自由に想像力の翼を広げさえすればいい。そこでは、行間に垣間見える作者の境涯を歌と重ねて読む読み方もまた、読者に与えられた数多い選択肢のうちのひとつであるに過ぎないのである。
         (山田消児 『短歌が人を騙すとき』(彩流社))
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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