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瑞紀さんの日記より「フォルテピアニシモ vol.3」

もしかしたら、伊津野重美(いつのえみ)さんは<端っこ好き>ではないだろうか。ついそう思ってしまうほど彼女の作品には「涯」「切岸」「岬」がよく出てくる。
朗読を聞く〈作品を読む)うち、これらのキーワードは、「自分と他者」「光と闇」「生と死」「過去と未来」といった観念的なボーダーを想起させる。伊津野さんはこのボーダーを、巫女のようにかるがると行き来する。

囁くような詩の朗読が始まってすぐに言葉が映像になる。あいかわらず伊津野さんの言葉の力はおそろしい。ライブの数日前に伊津野さんに「泣く気まんまんです。ハンカチ握り締めて行きます」と宣言したとおり、早速涙腺が開いてしまう。「精霊流し」という作品では滂沱。前半最後の「Grace」(短歌)に「アメイジング・グレイス」(アイリッシュミュージック風)を合わせているのが印象的だった。

チェロのmori-shigeさんとのコラボもすばらしかった。ゴーシュのせいなのか、宮沢賢治の作品にはチェロがぴったりだ。やわらかい音色の中、伊津野版「やまなし」の蟹の兄弟のかわいらしいこと!CD化して出して欲しいくらい。チェロの音質と伊津野さんの声質はとても相性がよいと思う。

ライブ最後の作品「遍し 光」は圧巻。これは、もう(またしても!)泣くしかない。

途中、演出でステージの照明が消された。真っ暗な中に伊津野さんが片手を高々と掲げているのがわかった。こころが立ち尽くしてしまっているとき、いつも伊津野さんが呼んでくれる。その姿だった。やはり伊津野さんは標なのだなぁと思う。

会場では写真家岡田敦さんのミニ写真展もあった。以前、「BEAMS JAPAN × OKADA Atsushi EXHIBITION」でも見せていただいていたが、やはりオリジナルプリントの力を感じた。あの、小さな四角の中に漲っているものをなんと表現したらいいのか。
わたしは、歌集には入っていない、白の紫陽花(たぶん)に囲まれた伊津野さんの写真が一番好きだ。画面いっぱいの毬花の中にいる伊津野さんはなんだか妖精のようだった。

これを一区切りとして、ソロライブはしばらくお休みされるとのこと。ちょっと残念だけれども、次のステップのために力を溜められるのだろう。涯の先から、海が始まる。涯の歌の先から何が始まるのか楽しみに待つことにする。

歌信風
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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