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浦歌無子さん朗読会「薄荷糖」

浦歌無子さんの朗読会は、繊細で丁寧に心をこめて創られたフラジイルで非常に美しい時間だった。
実は前日にお会いしていて、石造りのドックヤードや大観覧車が見える場所でお話しする時間をもっていた。
私は使える時間と体力が僅かなので、申し訳ないのだが打合せ以外に人と、ただ会うためだけに会うことは、ほとんどお断りさせていただいている。特に二人で会う人、会おうと思う人は稀である。しかし、この時は二人でお会いできお話できうれしく、自分が洗われるようであった。

歌無子さんは、こちらでのわずかな滞在時間、またイベント前日で大雨注意報のなか私と会う時間を割いていただいて、ご無理でないか大丈夫かと心配に思っていたが、別れ際に歌無子さんは朗読前に私に会いたかったと言っていただき、このような形で私を必要としてくださる人がいることに感激する。

お話すると表現に対して痛いくらいに純粋で真摯であり、美しく繊細な歌無子さんと自分を比べるのは、おこがましいことであるかもしれないが、表現者として活動し始めたばかりで、今とは別なことで苦しんでいた頃の自分を思い出した。
朗読のスタイルは全く違うのだが、朗読することや作品を発表することへの畏れがあること、そして真摯さ、意識的さや覚悟が似ているのだ。朗読への向かい方で、自分に似ていると思う人は今までになかった。
このような方と出会えたことをほんとうにうれしく思う。

挨拶から朗読に入ると声が変わる。それは、声を作ったとか表面的なことではない。
作品に降り立つのだ。
小さなカフェという地続きの場、観客との近い距離、ホームタウンから遠い初めての場所、きっとやりにくかったことだろうと思うが、観客もみなこの時を大切にしている方々ばかりで、ほとんど目を閉じ静かに聴き入っていた。お手伝いの音響の方も心を込めて接していらして、素人の方には複雑な音入れであったと思うが、歌無子さんの世界を尊重し大切にされていることが分かる方で、一度も間違えたりすることはなかった。

私は最近、会を創ることだけで、あるいは、その日無事にそこに立ち声を出し、自分を1時間もたせることだけで精一杯になってしまっていた。熱情や気迫は失っていないつもりではあるが、そのような思いにだけ引きづられながら邁進し、朗読に丁寧に心をこめることまでは行き届かないでいた。初心を忘れていたことを思い出させていただいた。

九州公演の時には、歌無子さんの朗読は意識的であり驚いたものの、正直言ってテキストが弱いと思っていたが、今回はテキストも朗読も格段によいものになっていて驚いた。
まだあれから1年経っていないのだ…
誠実に心を込め、真摯に打ち込んで努力している人の素晴らしい進歩に舌を巻いた。
一方私は、忙しさや体の弱さにかまけて、怠り過ぎてはいないだろうか…

朗読が終わってから少し間がもたないようだったので、出過ぎであるかと思ったが質問などをしてみた。
私もブログを愛読させていただいている料理研究家の井口和泉さんとの朗読とお菓子とのコラボレーションや最近の美術館での朗読、それに、手作りの豆本の美しい装丁などについて、お訊ねしたかったことを聞くことができよかった。
また初めて朗読を聴きにいらっしゃった方が、たいへん感動されていたことを知り、同じ自作を朗読をする者としてうれしかった。「それは、よい始まりで幸運でしたね」と、思わず言っていた。私は、訓練されたアナウンサーや魅力的な役者の朗読でなく作家の朗読が好きなのだが、残念ながら作家の朗読は、ほとんどが無自覚かエゴ丸出しの嫌なものが多く、美しい時間に出会えることが少ない。

大雨に脅えつつ帰り着くと、珍しく短歌関係の原稿依頼がきていた。
『短歌ヴァーサス』に「短歌は音楽や映像と手を結び、空間や時間を伴う総合芸術になる無限の可能性をも秘めている」と書いた続きを求められている。
私は試行錯誤しつつも、少しでも進んでいるだろうか?
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

********************

フォルテピアニシモ vol.14
 
~ Keep the holy fire
       burning ~

伊津野 重美 朗読

2016年11月3日(木・祝)
12:30 開場/13:00 開演

場所:STAR PINE'S CAFE

前売・予約¥2,500円+1drink
ペアチケット前売・予約のみ
     ¥4500+2drink
当日¥3,000円+1drink
チケット前売発売10月3日より
 前売は店頭販売かweb予約
予約アドレス
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f7f014c8172636

STAR PINE'S CAFE
http://www.mandala.gr.jp/

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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