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『そこのみにて光輝く』

映画『そこのみにて光輝く』

佐藤泰志さんの同名の小説が原作で、うれしい。
底辺の生活に生きる人達に寄り添う眼差しが、限りなく優しい。

丁寧に書かれた本が、丁寧に演じられ、創られている。
最近若手の監督が、力まず、地に足を着けて、このような佳作をたくさん創っていることに感銘を覚える。
音楽もよいなと思ったが、札幌の出身であることを知って、どこか納得する。
これは、北の町を知っている者の音楽と思った。

かつて何度も訪れたことがある、北の町の夏の切なさは、どのように表現すればよいだろう…
首都圏の夏も、後半になると暑くとも夏のなかに秋の気配が混じり出し、どこか寂しい感じがするのだが…
北の町には、夏の束の間の一瞬の輝きに、独特の切なさがある。
繁華街で水商売の夏服の女たちがはしゃいでいる姿に、夏の夜に最北端の岬に集って賑わっているミツバチ族の若者の姿に、何かかつてないほど胸がしめつけらる切なさを感じたのは、私もまだ若い頃であったが、なぜだろう…
8月に島を出る船を見送られた時には、まだ十代だったというのに、その切なさは…

旅人の一時の感傷もあるだろうが、おそらくは、その光が、すぐ終わることを同時に感じてしまうからだろう。
夏の光も、若さも、すぐに消えゆく…


原作から変えられた部分には、より監督の強いメッセージを感じた。
さまざまな愛のかたちが、北の海辺の町に淡い夏の光で浮かび上がる。

愛とは、なんだろう…
私達は考えたほうがいい。

人が人を救うなんて、傲慢だと言う人もいる。
けれども、人が人に寄り添っているだけで、ほんとうに苦しい時に手を握っているだけで、人の生きる力になることは、確かにあると、私は信じている。

余韻に浸りながらエンドロールを観ていると、作者と同郷の村井さんのお名前がクレジットに!
『海炭市叙景』の出版の際には、お忙しいお身体でご尽力をされたことを知っていたが…
よい作品、素晴らしい作者が、亡くなった後も、それを知る方々、慕うみなさんで守られ、世に押し出されていることに、感銘を受ける。
私も作者の端くれとして、恥じない生き方をしなければ。


たくさんの人の想いが籠められた、痛ましくも愛おしい作品である。


去年の5月には、北の町々で雪にあった。
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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