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『春を恨んだりはしない』


この冬は寒さが一段と厳しく、乾燥も強かった。
一日中加湿器を付けていても、乾燥したままだったのが、押し寄せるように春がなだれ込んでくると、加湿器を付けていても上がらなかった領域まで一挙に湿度も上がった。
空気も優しくなり、人もコートを脱いで歩いている。
春は、潤んでいる。
太陽や時の流れは、偉大だと改めて思った。 
人間が、いや私が立ち止まっていても、時だけは容赦なく、また慰藉のように流れる。
遅れていた梅の花が咲きだし、沈丁花の蕾も膨らんでいる。
そして、寒さに縮こまっていた私も、また動き始める。

また3月11日が巡って来た。
やっとやってきた春だが、この春を、どんなに苦しい気持ちで迎えている方々がいることだろう。
震災を題材にした映画の予告シーンを観て、頭の中が冷たくなり、胸がつまり、息が苦しくなった。
遠くにいた私には、ただそれだけなのだが、それでもなお、ただ悲しいとか苦しいとかではなく、私自身も生涯消えない傷を負った。直接的な被害を受けなかった多くの人達も同じだと思う。

この時も、大切な人や居場所や仕事を失い苦しんでいる方々、復興や回復のために身を捨てて働いてくださっている方々、無念のまま亡くなった方々、そして、今なお、自分の利益のために容易く人を傷つけ踏み躙る人達のことを私は忘れない。
私にできることは、あなた方を決して忘れないと、そして、人の力と未来を信じると言い続けることだけだ。
共に忘れないこと、祈ることしかできない。



自分に都合のいい神を勝手に奉ってはいけない。
今回の震災を機にぼくは何度か山浦玄嗣さんの言葉を聞く機会を得た。先日の講演で彼は(ぼくにとっては)驚くべきことを言ったー
祈るとは自分勝手な願いを神に向かって訴えることではない。祈るとは、自分は何をすべきなのか、それを伝える神の声を聴こうと耳を澄ますことである。教えを乞うことである。自分は斧なのか、槌なのか、あるいは水準器なのか、それを教えてほしい。それがわかれば、神意のままに身を粉にして働くことができる。

  (『春を恨んだりはしない』 池澤夏樹 中央公論社)
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

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立春ポエトリーリーディングライブ

2月3日(土)下北沢lete
ナマステ楽団
(末森英機+
ディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ)
+伊津野重美

Open 14:00 / Start 14:30
Charge 予約 ¥2,000 + drink
当日 ¥2,300 + drink

チケット予約  
http://www.l-ete.jp/live/1802.html#d03

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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