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『NHK短歌 9月号』「ジセイダンタンカ」寄稿


『NHK短歌 9月号』の「ジセイダンタンカ」欄に「過つは 人」という短歌の一連と、戦時中に日本政府に不当に逮捕され、二十七歳の若さで獄死した詩人、尹東柱(ユンドンジュ)について少しだけ触れています。
よろしければ、のぞいていただけますと、うれしいです。

尹東柱は、いま日本で読まれるべき詩人と思います。



  プルートー
  Plutoの冥き雨降るこの星に たった一人を守りきれない  伊津野重美



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佐藤弓生さん『うたう百物語』

佐藤弓生さん『うたう百物語』が、出版されました。
怪談専門誌『幽』に連載されていたものをまとめられたもので、1冊になると圧巻です。
短歌の一首一首から、インスパイアされた掌編の物語を紡がれたもので、少しずつ重ねられた、ご尽力がしのばれるお仕事です。
引き出しの多い弓生さんでありますが、ファンタジー性の強いもので、短歌読者でない方にも読みやすく、面白いと思います。
格好よい装丁は、またもや名久井直子さん。

私の歌も、「四十三」に取り上げていただきました。
弓生さん選のアヤシイ短歌百首のお仲間に入れていただけて、うれしいです。
ありがとうございました。
笹井宏之さんの歌は「四十九」に、おおっ!芥川龍之介や中島敦の短歌まで載っている!と楽しいです。

なお、佐藤弓生さんの歌集『薄い街』をまだ入手されていない方は、早めに手に入れることをお勧めします。
私のステージ写真をいつも撮影いただいている田中流さんの写真の美しい、そして、またもや素晴らしい歌集になっています。



  今夜堕つ蝉の声降る赫々と生キルノコワイ死ヌノハツライ  伊津野重美

missing

ひまわりを買いに花屋に行くと、もうなく、菊や桔梗や吾亦紅など秋の花になっていた。
驚いて何も買わずに帰る。お盆だったからか?
暦の上では秋というものの、8月前半で、ひまわりがなくなるのは、なんだか寂しい気持ちがする。

今年、新盆を迎える人のことを思って過ごしていた。
今も、東日本大震災で行方不明の方々を探すために、ボランティアで海に潜っている人達がいるという。
また、戦後67年を経て、太平洋戦争で海外で亡くなった戦死者の遺骨の未回収は、100万人を越えるという。遺族も高齢化し、なんとも痛ましい。
これは、仕方がないことなのだろうか?

前に、ここでも触れたことがあるが、『バビロンの陽光』というイラク映画を思い出す。
湾岸戦争時に行方不明になった父親を探すクルド人の祖母と孫を描いている。
イラクでは、150万人以上の人が行方不明になったという。

たった一人の死でも、こんなにも悲しく辛いものを…
愛する人を、遺骨でも連れて帰りたいという強い想いが万国共通であり、それにも関わらず、人間は戦争は止めない。

試練と呼ぶには、あまりに酷い試みがあるが、決して癒えることのない悲しみを抱いても、体と同じで心も、自らも失いかねない、激しいショックのようなところを過ぎると、悲しいままにも、なんとか生きてゆけるものだと思う。
勝手な願いかもしれないが、今も大きな悲しみのなかで苦しんでいる人達も負けずに、生き抜いてほしい。
そして、自分の人生も大切にして、どうか少しでも、幸せに導いてほしい。


 * イラク・ミッシング・キャンペーン

ひまわり

いつの頃からだろう、8月が近づいて来ると、眩い空に比例する影のように、空気と心が重くなり、悲しくなる。
おそらく、原爆記念日や終戦記念日やお盆があり、なくなった魂だけでなく、大事な人の死を悲しく、辛く思う人々の心の重さや悲しみが伝播してくるからだろう。
3・11の痛苦も併せて、さらに私の心を重たくしている。

広島・長崎に原爆が落とされてから67年目。
13歳で被爆した女性が、今年80歳になり、ようやく自分の体験を話し始めたというニュースを見た。
その人は、原爆で身近な人を失ったり、体の機能を失ったり、後遺症をもってはいなかった。けれども、その大きな心の痛みは、決して消えない傷を残したのだった。
ずっと口を閉ざしていたのは、被爆したことにより、かつてマスコミから心無い差別の言葉を投げかけられたことと、この世の地獄を体験してしまい、そのことを忘れないと、狂ってしまう。忘れなければ生きてゆけないとお話されていて、胸がつまった。
それでも、3・11に続き、原発の問題が起こり、自分が話さないといけないと決心したのだという。
なんという重い、そして、尊い決断だろう。

夏の盛りの決められている日時に、そこに出向くということが私でも大変なものを、そのような高齢の、しかも、人に話すことに慣れていない、ましては、人に秘めて来たことを、使命として人に伝えるために、苦しいことを言葉にし、顔を曝すという、苦しさを思った。
また、水俣病や原発事故を受けた福島の方々のような被害者が、さらに受けてしまう差別や痛みのことを考えている。
そして、悲しみや心の痛みというものは、年を経れば、少しは風化するのかと、どこかで思っていたが、決してなくなりはしないという、残酷さを改めて思い知ったのだった。
今だに思い出せば、狂いそうな地獄絵の記憶のなかで、苦しんでいる人がいる。
ましてや、子供やパートナーなど、大事な人を失った人の悲しみは、如何ばかりかと、胸の潰れる想いがする。

そして、また信じられないような訃報が届き、打ちのめされた。
特に若い人がなくなるのは、周りの人のダメージが大きく、その分まで遣る瀬無く、やり切れない。
その人が案じていた人の痛苦が偲ばれるが、遠くで共に涙し、どうか生き抜いて、と願うしか術がない。
それでも、8月は大切な友人達の誕生日があるのを心の拠り所として、幸せにも感じる。

8月1日は、若くしてなくなった友人の誕生日である。
大雪だった命日より、誕生日を覚えていたい。
ひまわりを見ると、背が高く、明るく強かった、その人を思い出す。
ほんとうに強い人は、誰よりも、明るく優しいのだ、と誇りに思う。

生きてゆくことは、なんという苦しさを伴うのであろう。
それでも、勝手な願いかもしれないが、みな、なんとか生き抜いて、天命を全うしてほしい。

ひまわりの花を一輪、8月の卓に飾る。
ひまわりの花言葉は、「敬慕・憧れ・あなたを見つめる」

生まれて来てくれて、出逢うことができて、ありがとう。


  ひまわりの死んでいるのを抱きおこす 季節をひとつ弔うように  笹井宏之
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

********************

フォルテピアニシモ vol.14
 
~ Keep the holy fire
       burning ~

伊津野 重美 朗読

2016年11月3日(木・祝)
12:30 開場/13:00 開演

場所:STAR PINE'S CAFE

前売・予約¥2,500円+1drink
ペアチケット前売・予約のみ
     ¥4500+2drink
当日¥3,000円+1drink
チケット前売発売10月3日より
 前売は店頭販売かweb予約
予約アドレス
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f7f014c8172636

STAR PINE'S CAFE
http://www.mandala.gr.jp/

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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