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『ルック・オブ・サイレンス』

インドネシアで起きた大量虐殺の加害者たちを追った『アクト・オブ・キリング』のジョシュア・オッペンハイマー監督の、今度は被害者にスポットを当てた続編『ルック・オブ・サイレンス』をやっと観た。

1960年代のインドネシアで、およそ100万人が虐殺されたという。その犠牲者の弟が、加害者達に話を聞きに行くという恐るべきドキュメンタリー。

違う人種、違う宗教ですらない。同じ村に住む隣人が、名前も知っている若者を切り刻み、頭を刎ね、女の腹を裂き、乳房を切り落とし、咽喉を切り裂いて血を飲む。その様子を笑いながら楽しそうに話す者達は、その大量虐殺現場で、嬉々としてポーズを取って写真を撮る。命じた者達は、地位と名誉と財力までを得ていて、学校では偽の歴史が教えられ、そして、被害者の遺族が、半世紀を経てまだ危険を脱していないで口をつぐみ、怯えて暮らしていることが、心底から恐ろしいと思った。

そして、加害者が誰か知りながら同じ村に住み続ける被害者の遺族の悲しみ苦しみと恐れは、決して癒えることがない。
豊かな緑をわたる風のさざめきと鳥の声が、人間の愚行と狂気を包んで、なおさら美しく悲しい。

非常な危険を冒し、困難な撮影を敢行したスタッフと、感情を抑えて加害者達と対峙し、自分があなたにそうやって殺された人間の弟だと静かに告白するアディさんの姿に打たれた。

これは特別な場所の特別なことではなく、たやすく陥ってしまう人間の闇について考えさせる作品であり、二度とこのようなことが起きないよう、私達は学ばなければならない。
貴重な作品だが、苦しくなり過ぎてしまう人は、観ないで自分を守ることもまた、一つの勇気と思う。
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映画『セバスチャン・サルガド』

セバスチャン・サルガド』を観る。

人生という旅を撮り続けてきたヴェンダースが、偉大な報道写真家サルガドを撮ったのは必然に近いだろう。

同時進行的にルワンダの虐殺を憂えていたものの、救いを求めて集まった教会や学校でも散乱する人骨の量に、改めて息をのむ。
自身の身を危険に曝しながらも、死、飢餓、暴力を直視し、撮り続けたサルガドが人間に絶望し、魂を病んでしまい、その後に、自然の力によって救われてゆくさまが痛ましくも、ありがたい。
これは、今年一番で観るべきものだろう。

今も私の耳には、人間の未来を壊す音が聞こえる。
人間は人間である限り、もう駄目なのだろうと思う。
壊すのは一瞬で、育むのには膨大な労力と時間がかかる。
それでも、サルガドのように絶望と闘い続けている人達がいる。
絶望するのは簡単だが、もはや絶望している時間などないのだ。どんなに微力でも抑止力にならなければいけない。

未来への希望の森を育てるのは、文字通り一本一本と樹を植えるような気が遠くなるような行為だ。
私にできることは、たとえどんなにわずかで力足らずであっても、言葉の種を一粒ずつまくことだけで、それしかできない。

まずは声をあげよう。みんなで。
泣き声でもいい。、一言でもいい。
私は殺されたくない。そして、殺したくも、殺させたくもない。
そのために、何をし、何をしないかだ。
自身で手を下さなくとも、無関心が人を殺すのだから。



「大いなる沈黙へ」

世界が湧く、この美しいクリスマスシーズンにも、残念にも痛ましいニュースが続く。
物も人も世界も、壊すことは簡単で、創ること、そして、それを守ることが、なんと難しいことだろう。

この世界は、宗教を越えて、無心に祈る人達によって、ようやく保たれているような気がする。
奪い、壊したい人達の前に、何ができるだろうか。
人として生を得て、何をすればいいのだろう…
祈りは無力だろうか?

私も祈り続ける。

大いなる沈黙へ 大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

静寂の音を聴く。

『そこのみにて光輝く』

映画『そこのみにて光輝く』

佐藤泰志さんの同名の小説が原作で、うれしい。
底辺の生活に生きる人達に寄り添う眼差しが、限りなく優しい。

丁寧に書かれた本が、丁寧に演じられ、創られている。
最近若手の監督が、力まず、地に足を着けて、このような佳作をたくさん創っていることに感銘を覚える。
音楽もよいなと思ったが、札幌の出身であることを知って、どこか納得する。
これは、北の町を知っている者の音楽と思った。

かつて何度も訪れたことがある、北の町の夏の切なさは、どのように表現すればよいだろう…
首都圏の夏も、後半になると暑くとも夏のなかに秋の気配が混じり出し、どこか寂しい感じがするのだが…
北の町には、夏の束の間の一瞬の輝きに、独特の切なさがある。
繁華街で水商売の夏服の女たちがはしゃいでいる姿に、夏の夜に最北端の岬に集って賑わっているミツバチ族の若者の姿に、何かかつてないほど胸がしめつけらる切なさを感じたのは、私もまだ若い頃であったが、なぜだろう…
8月に島を出る船を見送られた時には、まだ十代だったというのに、その切なさは…

旅人の一時の感傷もあるだろうが、おそらくは、その光が、すぐ終わることを同時に感じてしまうからだろう。
夏の光も、若さも、すぐに消えゆく…


原作から変えられた部分には、より監督の強いメッセージを感じた。
さまざまな愛のかたちが、北の海辺の町に淡い夏の光で浮かび上がる。

愛とは、なんだろう…
私達は考えたほうがいい。

人が人を救うなんて、傲慢だと言う人もいる。
けれども、人が人に寄り添っているだけで、ほんとうに苦しい時に手を握っているだけで、人の生きる力になることは、確かにあると、私は信じている。

余韻に浸りながらエンドロールを観ていると、作者と同郷の村井さんのお名前がクレジットに!
『海炭市叙景』の出版の際には、お忙しいお身体でご尽力をされたことを知っていたが…
よい作品、素晴らしい作者が、亡くなった後も、それを知る方々、慕うみなさんで守られ、世に押し出されていることに、感銘を受ける。
私も作者の端くれとして、恥じない生き方をしなければ。


たくさんの人の想いが籠められた、痛ましくも愛おしい作品である。


去年の5月には、北の町々で雪にあった。

「フラメンコ・フラメンコ」

季節の花が移ってゆくのを、ぼんやりと歩きながら、または病院へ向かう車窓から、眺めていました。

夜帰ってくる道で白い花が散っていて白雲木に気がついたり、ジャスミンの香りも夜を疲れて帰って来るものに優しい…
待宵草や、ホタルブクロは、車窓から見つけました。
家族の怪我は、順調に回復に向かっていて、私も走り回っているような状態から、少しずつ抜けてきています。
ご心配をいただき、ありがとうございました。

また私の誕生日へのメッセージや贈物もありがとうございます。
私の好きなガラスや石や鳥グッズが増えました。
旅先の忙しいなかで、私のことを思い出してもとめていただいたお土産の品々も、お気持ちがうれしく、じんとうれしいです。

生まれた季節だからか、私の体に合って、最も元気な5月だったため、何度も倒れそうになりながらも、なんとか乗り切ることができました。まだしばらくは私信のメールの返信など遅くなってしまうかもしれませんが、お許しください。
仕事は、していますので、こちらへは、すぐにお返事いたしますので、ご遠慮なくお願いいたします。

自分の治療と、家族の病院へ行く時間の間があり、また息抜きに映画を観に行くことができるようになりました。
フラメンコ・フラメンコ」に痺れました。
ストーリーはなく、ただ、音楽を浴び、フラメンコを観るだけです。

ミュージシャンとして共演したことのある、フラメンコダンサーでもある、ひらさんのことを思い出しました。
私の『夢十夜』の朗読の後に、ひらさんは、「オレ~!」と声を入れてくれました。
新鮮な体験でしたが、第一夜で「オレ~!」は、どうかと…
プロフィール

いつのえみ

Author:いつのえみ
伊津野重美 

第一歌集『紙ピアノ』
1st Album『ひかりの素足』
詩誌『生命の回廊』発行・編集。

********************

フォルテピアニシモ vol.14
 
~ Keep the holy fire
       burning ~

伊津野 重美 朗読

2016年11月3日(木・祝)
12:30 開場/13:00 開演

場所:STAR PINE'S CAFE

前売・予約¥2,500円+1drink
ペアチケット前売・予約のみ
     ¥4500+2drink
当日¥3,000円+1drink
チケット前売発売10月3日より
 前売は店頭販売かweb予約
予約アドレス
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f7f014c8172636

STAR PINE'S CAFE
http://www.mandala.gr.jp/

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伊津野重美 1st Album 

『ひかりの素足』
歌人伊津野重美による初の朗読アルバム。
ゲストにチェリスト森重靖宗を迎えて、
宮沢賢治の童話「ひかりの素足」と
日本近代詩の抒情世界を精緻に紡ぐ。

全9曲、48分。定価 2,500+税

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「生命の回廊 vol.3
『えーえんとくちから 
  笹井宏之作品集』特集号」

2011年11月刊行

井口和泉 浦歌無子 
岸田将幸 斉藤斎藤
斉藤倫 樋口由紀子
ひろたえみ 三角みづ紀
ヤリタミサコ 夕暮マリー
伊津野重美

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